復職が怖い20代へ|戻れなくて当然な理由と今できる3つの選択肢

復職が怖い20代へ 休職・復職

新卒で入った会社を休職して、復職の期限が近づいてきた。

「早く戻らないと」と焦る気持ちはあるのに、体も心も動かない。親に申し訳ない気持ちもある。同期はふつうに働いているのに、自分だけ取り残されている気がする。

そんな状態で毎日を過ごしていませんか?

結論から言います。復職が怖いのは、甘えでも逃げでもありません。20代だからこそ感じる、正直な反応です。

私自身、20代のころにうつ病で休職・退職を経験しました。「戻らなければ」という焦りと「でも怖い」という感情の間で、毎日消耗していました。今は障害福祉の相談員として働き、同じ悩みを持つ方と毎日話しています。

その経験をもとに、復職が怖い理由と、今あなたが取れる選択肢を正直に伝えます。

復職が怖い20代が感じていること

また同じことになるんじゃないかという恐怖

社会人になってまだ数年。最初の会社でつぶれた経験は、それだけで十分すぎるほどのトラウマになります。

「また同じことになったら、今度こそ立ち直れないかもしれない」という恐怖は、20代の休職者のほぼ全員が感じていることです。

これは弱さではなく、自分を守ろうとしている心の反応です。

職場の目が気になる

「若いのに休んで」と思われていないか。戻ったときに何を言われるか。

特に新卒で入ってまだ日が浅い場合、職場での居場所がそもそも確立できていないまま休職したケースも多く、戻ることへのハードルが余計に高くなります。

相談員として話を聞いていると、「職場の人の顔を思い浮かべるだけで気分が悪くなる」という方が本当に多いです。それくらい正常な反応です。

親への申し訳なさとプレッシャー

実家暮らしの場合、毎日親の目があります。「早く治して戻りなさい」と言葉にされなくても、その空気を感じてしまう。

誰かに心配をかけている罪悪感が、さらに自分を追い詰めていませんか?

この「親への申し訳なさ」は、20代特有のしんどさだと思っています。30代・40代の方の相談と比べても、この感情を抱えている方が圧倒的に多い。

同期との差が開いていく焦り

SNSを開けば同期が仕事の話をしている。昇進した話、プロジェクトの話。自分だけ止まっているような感覚。

この焦りは、休んでいる間ずっとつきまといます。でも、SNSに出てくる情報はその人のごく一部です。しんどい気持ちを投稿している人はほとんどいません。

お金への不安

休職中は収入が減ります。傷病手当金が出ているとしても、以前より少ない。

「いつまで休めるのか」「このまま退職したら生活できるのか」という不安が、焦りをさらに大きくしているケースも多いです。

それでも「今すぐ戻る」が正解ではない理由

焦って戻った人のリアル

「早く戻らなければ」というプレッシャーに負けて復職した結果、再び休職してしまう、いわゆる再休職のケースは珍しくありません。

厚生労働省の研究によると、メンタルヘルス不調で休職した人の約47%(約2人に1人)が、復職後5年以内に再休職を経験しています(厚生労働省「主治医と産業医の連携に関する有効な手法の提案に関する研究」2017年)。

さらにうつ病の場合、一度再発すると次の再発率は約70%まで上がります(厚生労働省「うつ対応マニュアル」2004年)。つまり、焦って無理に戻ることのコストは、思っているより何倍も大きいのです。

相談員として現場で見ていても、再休職した方の回復は最初の休職より時間がかかるケースがほとんどです。

心身の防衛反応として正常

「怖い」という感覚は、心と体が「また傷つきたくない」と発しているサインです。

これは弱さではありません。むしろ自分を守ろうとしている、正常な反応です。

20代はまだ選択肢が広い

30代・40代と違い、20代はキャリアの選択肢が広い年代です。

今の職場への復職だけが正解ではありません。むしろ今の段階で自分に合った道を選ぶことが、長い目で見たときに一番の近道になることもあります。

今あなたが取れる3つの選択肢

「復職一択」で考えなくて大丈夫です。状況に応じて、3つの選択肢があります。

① 段階的な復職

どうしても今の職場に戻りたい理由がある場合は、短時間勤務や業務軽減から始める段階的復職という方法があります。

いきなりフルタイムに戻る必要はありません。主治医や産業医と相談しながら、無理のないペースで戻っていくやり方です。

ただし、職場側の理解と協力が必要になるため、事前に人事や上司と丁寧に話し合っておくことが大切です。

② 転職

今の職場への復職にこだわらず、新しい環境でやり直すという選択肢もあります。

20代であれば転職市場での評価も高く、選択肢は十分あります。ただし体調が不安定な時期の転職活動は負担が大きいため、ある程度回復してからのタイミングが重要です。

「休職した経歴があると転職できない」と思っている方も多いですが、正直そんなことはありません。伝え方次第で十分に次のステップに進めます。

③ 福祉サービスを使った社会復帰

あまり知られていませんが、就労移行支援や自立訓練といった福祉サービスを活用して、ゆっくり社会復帰する方法があります。

就労移行支援とは、障害や病気を抱えながら働くことを目指す人を支援する福祉サービスです。いきなり就職するのではなく、体調を整えながら就職準備を進められる仕組みで、利用料は収入に応じて決まり、多くの方は無料で使えます。

相談員として実際に関わっていて感じるのは、「こういうサービスがあると知らなかった」という方がとても多いということです。復職でも転職でもない、第三の選択肢として知っておくだけで、気持ちがだいぶ楽になる方もいます。

 

お金の不安を和らげる制度

「休職を続けたい気持ちはあるけど、お金が心配」という方に知っておいてほしい制度があります。

傷病手当金

健康保険に加入していれば、休職中に給与の約3分の2が最大1年6ヶ月支給される制度です。

まだ申請していない方は、会社の総務・人事担当に確認してみてください。

自立支援医療制度

精神科・心療内科への通院費用が、通常の3割負担から1割負担に軽減される制度です。

市区町村の窓口で申請できます。継続的に通院している方は、早めに確認することをおすすめします。

まとめ

復職が怖いという感情は、甘えでも逃げでもありません。

特に20代は、社会人としての経験が浅いまま休職という経験をしているため、怖さを感じて当然です。

大切なのは、自分の状態に合った選択肢を選ぶことであって、無理に復職することではありません。

復職・転職・福祉サービス、どれが正解かは人によって違います。一人で悩まず、まず選択肢を知るところから始めてみてください。

 

<参考文献>

  • 厚生労働省「主治医と産業医の連携に関する有効な手法の提案に関する研究」(2017年)
  • 厚生労働省「うつ対応マニュアル-保健医療従事者のために-」(2004年)

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